こんにちは
口臭ゼロのおっちゃんです
前回に引き続き、インフレ率100%への対策を
踏まえながらお話していこうと思います。
莫大な不良債権
日本政府の莫大な不良債権
新型コロナの影響で、全世界で経済的な大打撃を受けました。日本では諸外国に比べて死者は少なく済みましたが、経済面では外国と同様、大きな痛手を被りました。
とくに飲食業や旅行業は、売上が前年同期比マイナス90%超という惨憺たるものでした。
そこで政府は救済策として現金給付と併せて、大々的に特別融資をしました。対象のほとんどは、個人事業主や小規模企業でした。
ゼロゼロ融資
救済の特別融資ですので、通常の融資とは違って、審査も返済条件も特別なものでした。
・無担保、無保証人(都道府県の信用保証協会が全額保証)
・金利は実質ゼロパーセント(国や自治体が、金利を補填)
・最長3年間、返済の据置(借入後、据置期間中は1円も支払わなくてよい)
・迅速な審査(緊急性が高いため、簡単な書類審査で通る)
これらの特例は、当時の社会状況を考えると、決して無茶な条件ではありませんでした。
日本政策公庫
ゼロゼロ融資は銀行等民間金融機関が融資をして、それを信用保証協会が保証するという融資制度ですが、一方で政府系金融機関である日本政策公庫も上記と同条件と同様の審査で融資をしました。
貸出残高50兆円
民間のゼロゼロ融資と日本政策公庫の融資額は、合計で約50兆円にのぼります。
銀行等民間金融機関ではリスクの無い融資(信用保証協会が全額保証するため)で、借入希望者が多いことから、2020年は一種のバブル景気でした。
新型コロナで倒産激増?
新型コロナが流行する前の企業倒産件数は700件前後で推移していました。ところが新型コロナが流行し出して以降、2020年4月から2022年12月までの企業倒産件数は500件前後で推移しています。とくに2020年4月は300件と極端に減っています。
これは新型コロナの特別融資(コロナ融資)が実行されたためで、政府が実施した政策が功を奏したと言えるでしょう。こうして飲食業や旅行業はじめ、多くの事業者が救われました。
実は新型コロナで倒産件数が・・・
ここで気になるのは、コロナ以前の毎月倒産件数700件が、コロナ以降は500件に減ったということです。もともと毎月700件倒産する日本において、それが500件に減ったということは、本来なら倒産したであろう200件が倒産を免れているということです。
コロナ融資がゾンビ企業を増殖
本来倒産したであろう事業者も、いや倒産したであろう事業者だからこそ、コロナ融資を目一杯借りたであろうことは誰にでも想像できることです。当時の緊急性から考えて、コロナ収束後に復活できるかどうかを審査する時間が無く、新型コロナとは関係なく資金に困っている事業者も含めて大々的に融資を受けました。
その結果この2年間で倒産すべき事業者も、以前から業績が悪いにもかかわらずゾンビのように生き残っていられるのです。
ゼロゼロが終わる
据置期間中は元金の返済も利息の支払いも無く、1円も支払わなくて済んでいましたが、2~3年の据置期間が過ぎると返済が始まります。利息の補填が無くなっても、もともと低金利ですからたいしたことがありませんが、元金の返済額は大きいです。
2年据置後8年で3,000万円を返済するなら、毎月312,500円、年間で375万円です。
コロナ融資を借りた事業者の中で、どれだけの事業者がこの返済をできるでしょうか?
少なくとも20兆円が焦げ付く
本来倒産していたであろう事業者は、返済スタート、即倒産でしょう。
新型コロナで2年間業績不振に喘いだ飲食、旅行等サービス業も、新型コロナ前以上の業績を上げないと、返済は容易ではありません。
おそらくコロナ融資50兆円の内、20兆円程度は正常に返済されない、最悪一度も返済されないという不良債権になるでしょう。
これは据置期間が満了する2023年4月から1年間、一気に顕在化するでしょう。
不良債権は誰のせい
バブル崩壊時に大量に発生した不良債権は、銀行はじめ民間企業が野放図に融資したため積み上がったものでした。そして銀行やノンバンクの倒産、合併、社員のリストラ、そして政府の直接、間接の支援で解消しました。
では今回のコロナ融資による莫大な不良債権は誰のせいか?政府が実施した政策がわるかったのか?
もし2020年に政府がコロナ融資をしていなければ、日本経済は崩壊していたかもしれません。あの時はあの政策しかなかったのです。
誰が責任を取る?
バブル崩壊時は野放図な融資をした民間企業が責任を取りました。
今回は契約上、信用保証協会と日本政策金融公庫が不良債権を抱えることになりますが、この両者に自己資本が20兆円もあるはずがなく、またこの両者は政策に従っただけで責任はありません。
結局20兆円の不良債権は、全額日本政府が抱えることになります。
不良債権処理の財源は
政府が抱える20兆円の不良債権を解消するということは、臨時で20兆円の支出が発生するのと同じです。政府はどこかから20兆円を集めて、不良債権を処理しないといけません。
増税
政府の収入を増やす方法として、一番に思いつくのが税収の増加です。税率を上げて税金を増やし、それで不良債権を解消するという方法です。
ただ現時点で防衛費を拡充するため1兆円増税するという方針でさえ大きな反対が出ていることから、不良債権20兆円を税金で解消するという方法は、なかなか困難なことと言えます。
また新型コロナで落ち込んだ経済を復興させるタイミングで増税をすれば、経済の急ブレーキを踏むことになります。
国債
国債は国の借金?
2022年3月末で国債と政府短期証券の残高は1,241兆円です。これをうけて、国民一人あたり1千万円の借金をしていると言われています。
しかし国債で借金しているのは日本国民ではなく、「日本政府」です。
もっと言えば国民が「日本政府」に1,241兆円貸しているのです。なので国民一人あたり1千万円の借金という表現は間違いです。
増えつづける国債
政府の歳出が約110兆円。その内22%、24兆円が国債の返済です。そのほか肝腎の社会保障等で86兆円の歳出があります。
税収や国の収入だけで国債の返済以外の歳出を賄えることができれば、国債の新規発行が国債の返済を下回ることができて、国債の残高が減少します。これで政府は、1年間で黒字になります。
財務省は常々、政府の1年間の収支(プライマリーバランス)を黒字にするよう政府に意見を述べています。そして国債残高が増えることを極端に嫌っています。
国債がキライな財務省
財務省は歳出の財源をつくる際に、必ずと言ってよいほど増税案を出してきます。それは前述のとおり、国債を増やさないためです。
もし財務省が国債発行に積極的になると
現在の日本銀行は国債の引き受け、つまり政府の国債発行に積極的です。財務省とは正反対の立場です。
そして実際には政府は国債を増やし、それを日本銀行が引き受けています。
それでも財務省は、増税、国債減少のスタンスを頑固なまでに変えません。なぜでしょうか?
国債暴落
財務省が国債発行に賛同してブレーキを緩めれば、日本政府は収入に困ると安易に国債を発行すると市場に受け取られて、国債の価値が暴落してしまうでしょう。
さまざまな説がありますが、現在の日本の国債は信用力が高いです。なぜなら世界最低の金利しか付かないのに、売れ残ることが無いからです。それは日本国内で消化できているからという説もありますが、海外の保有者も全体の13%以上あることから、国際的にも信用力の高い債券と言えます。
財務省が反対を言い続けることで、日本の国債の信用力は維持されます。
国債で不良債権処理
さまざまな議論が交わされるでしょうが、コロナ融資で積み上がる20兆円の不良債権は、最終的には国債で処理されることでしょう。
国債を増やしつづけると
日本銀行が国債を引き受ける、つまり買うということは、国債と日本円を交換するということです。国債を増やしつづけると日本円がどんどん増えます。
日本円が増えると、1円あたりの価値が下がります。
そう!インフレです。
前編でも述べましたとおり、アメリカや他の先進国との物価や賃金の違いから、数年後には2倍のインフレ、つまりインフレ率100%が到来するでしょう。
また新型コロナで傷ついた経済を建て直すために国債を発行することでも、インフレが起こります。
誰が損する?
不良債権処理
増税で不良債権を処理するなら、納税者が今より高い税金を支払うことになりますが、前述のとおり経済を後退させてしまうことから、これは無いでしょう。
好インフレ
物価も賃金も上がる好インフレになれば、みんなお金を使うようになり景気が良くなります。将来値上がりするなら今のうちに買っておこう。来年も給料が上がるから、貯金せずに使っても安心。という心理が景気を良くします。
円の価値が下がる
インフレになれば、円の価値が下がります。
安全資産の代表「銀行預金」をしていて、2倍のインフレになれば、預金は実質半分の価値に減ります。今100万円を預金して5年後に100万円受け取っても、今50万円のモノしか買えません。
預金者が損する
増税しなくても、真面目にコツコツ預金をしている人たちからまんべんなく半分の価値を取り上げることで、不良債権処理ができ、バラ色のインフレ時代が到来するでしょう。
投資分散
資産形成をする際には銀行預金一辺倒にならず、株式や生命保険、ゴールドや不動産等いろんなものに分散して投資しましょう。ただ流動性の高い銀行預金も重要な投資方法でもあります。
競馬は?
私の大好きな競馬は投資ではありません。ギャンブルです。投資から生まれた利益の一部で、趣味の範囲で楽しんでいます。
それに、あまり負けませんから、PATの残高を減らすことなく、毎週遊んでいます。
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